体から五穀と蚕を生んだ食物の神
どんな神さま?
自分の体から、五穀と蚕を生み出した、食べものの神さまです。『日本書紀』の一書に登場します。天照大御神は、地上に保食神という神がいると聞いて、弟の月読命をつかわしました。保食神は、月読命をもてなそうと、陸に向かっては口からごはんを、海に向かっては大小の魚を、山に向かってはけものを出して、たくさんの机にならべます。
ところが月読命は、「口からはき出したものを食べさせるとは、けがらわしい」と怒って、剣で斬り殺してしまいました。知らせを聞いた天照大御神は、ひどく怒って、「あなたは悪い神です。もう顔も見たくありません」と言います。それから、太陽と月は、昼と夜に分かれてすむようになりました。
天照大御神が使いを送ると、保食神のなきがらからは、さまざまなものが生まれていました。頭から牛と馬、ひたいから粟、まゆから蚕、目から稗、おなかから稲、そして麦と大豆、小豆。天照大御神はよろこんで、「これは、人びとが食べて生きていくためのものです」と言い、粟や稗、麦、豆を畑の種に、稲を田の種にさだめました。また、まゆを口にふくんで糸を引き出し、蚕をかうことがはじまったといいます。私たちが毎日食べているものは、もとは神の体。「いただきます」の心を伝える神さまです。
登場する主な神話
- 五穀の起源
- 日と月の別れ
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 保食神
- 読み
- うけもちのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 日本書紀
- 図鑑番号
- K00315
