海の底に沈んだ猿田毘古神の名
どんな神さま?
猿田毘古神が海にしずんだときの、魂の名前です。天孫降臨の道案内をつとめた猿田毘古神は、役目をおえて、ふるさとの伊勢へ帰りました。ところがある日、阿邪訶という土地の海で漁をしていたとき、比良夫貝という大きな貝に手をはさまれ、そのまま海にしずんでおぼれてしまいます。
『古事記』は、そのようすを三つの名前で伝えています。海の底にしずんでいたときの名が、底度久御魂。海の水がつぶつぶと泡立ったときの名が、都夫多都御魂。その泡がはじけたときの名が、阿和佐久御魂です。「そこどく」は、「底にとどく」という意味とされます。体が海の底についた、その瞬間の魂の名前です。
道をひらく大きな神が、貝に手をはさまれておぼれる。ふしぎで、少しおかしみのある話です。なぜこんな話が伝えられたのかは、よくわかっていません。伊勢の海で、もぐって貝をとる海人たちがまつっていた神の話がもとになっている、とする説があります。また、魂が体からはなれていくようすを、しずむ、泡立つ、はじけるという三つの場面であらわし、魂をしずめる祭りとかかわるとみる説もあります。ひとつの神が、場面ごとにちがう名前をもつ。魂は、ひとつではなく、いくつものはたらきをもつと考えた、昔の人の心がうかがえます。
登場する主な神話
- 猿田毘古神の最期
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 底度久御魂
- 読み
- そこどくみたま
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00189
