指の間からもれた血に生まれた神
どんな神さま?
剣からしたたる血から生まれた、谷の水の神さまです。伊耶那岐神が、火の神・火之迦具土神を剣で斬ったとき、剣のつかにたまった血が、指のあいだからもれ出しました。そこから、まず闇淤加美神が、つづいてこの闇御津羽神が生まれます。
名前の「くら」は、暗い谷あいをあらわすとされます。「みつは」は、水にかかわる言葉です。伊耶那美神が苦しみのなかで生んだ水の女神・弥都波能売神の名前にも、同じ「みつは」があります。「水が走る」こと、あるいは「水の出はじめ」、つまり水がわき出すところをあらわすと考えられています。暗い谷のおくで、岩のあいだから水がわき出し、流れはじめる。そのようすを神さまにした名前です。
先に生まれた闇淤加美神が、谷にすんで雨をふらせる龍神であるのにたいして、闇御津羽神は、谷からわき出て流れる水そのものの神といえます。雨がふり、山にしみこみ、谷でわき出して川になる。二柱で、水のめぐりをあらわしているのです。火の神を斬った剣から、火をしずめる水の神が生まれるところに、この場面の深い意味があります。おそろしい火も、水があればおさめることができる。昔の人は、火事のこわさをよく知っていました。暗い谷で生まれる清らかな水は、命をまもる水でもあったのです。
登場する主な神話
- 伊耶那美命の死(火の神を斬る場面)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 闇御津羽神
- 読み
- くらみつはのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00160
