うけいで生まれた五番目の男神
どんな神さま?
天照大御神と須佐之男命のうけいで生まれた五柱の男神の、いちばん最後にあたります。高天原にやってきた須佐之男命は、悪い心がないことを明かすため、姉と誓いを立てて子を生みました。須佐之男命が、天照大御神の右の手に巻いていた玉をかみくだき、吹き出した息の霧から、この神があらわれます。
『古事記』に物語はなく、子孫の氏族も記されていません。手がかりは名前です。「くすび」は、「奇し霊」、つまり、ふしぎな神の力という意味とされます。「熊野」は、地名とみる説と、「くま」をすみっこ、おくまったところとみて、おく深い野をあらわすとする説があります。
「熊野」といえば、和歌山の熊野三山が有名ですが、じつは出雲にも熊野があります。島根県松江市の熊野大社は、出雲の国でもっとも格の高い社のひとつで、出雲大社の祭りでつかう火をおこす道具は、いまもこの社からさずけられます。この神の名前を、出雲の熊野とむすびつける考え方があります。また、和歌山の熊野那智大社にまつられる熊野夫須美大神と同じ神とする説もあります。名前だけの神さまですが、その名は、日本を代表するふたつの聖地につながっています。おく深い森にやどる、ふしぎな力の神です。
登場する主な神話
- うけい(誓約)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 熊野久須毘命
- 読み
- くまのくすびのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00157
