熊野那智大社にまつられる結びの神
どんな神さま?
熊野那智大社にまつられる、むすびの神さまです。和歌山県の、那智の山にしずまっています。『古事記』や『日本書紀』には、この名前では登場しません。大社では、国を生み、神々を生んだ母神・伊耶那美神と同じ神、としています。
名前の「ふすみ」は、「むすび」と同じ、とされます。ものを生み出し、育てる力のことです。苔が「むす」、子が「むすこ」「むすめ」。その「むす」です。古くは、「結」の神と呼ばれました。平安時代はじめの記録にも、「熊野牟須美神」の名前が見えます。人と人、人と仕事、願いとその実り。あらゆるものを、むすびつけ、育ててくれる神です。
那智大社のはじまりは、那智の滝への信仰でした。高さ百三十三メートル。ひとすじに落ちる滝としては、日本一です。水がごうごうと落ちるその姿に、昔の人は神を見ました。いまも、滝そのものをご神体とする社があり、鳥居のむこうに、じかに滝をおがみます。神武天皇も、海からこの滝の光を見て、この地に上陸した、と伝えられています。熊野の本宮、新宮とあわせて、熊野三山と呼ばれ、平安時代から、多くの人がおまいりにおとずれました。七月には、大きなたいまつの火で、滝への道を清める、いさましい火祭りが行われます。縁むすび、願いをかなえる神として信仰されています。
登場する主な神話
- (この名では記紀の神話に登場しません)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 熊野夫須美大神
- 読み
- くまのふすみのおおかみ
- 区分
- 祭祀の神
- 主な出典
- 熊野那智大社の主祭神。伊弉冉尊と同一視される
- 図鑑番号
- K00396
