里に近い外山をつかさどる山の神
どんな神さま?
里に近い山をつかさどる、山の神さまです。伊耶那岐神が、妻を死なせた火の神・火之迦具土神を剣で斬ると、そのなきがらの八つのところから、八柱の山の神が生まれました。戸山津見神は、そのいちばん最後で、右の足から生まれた神です。
名前の「戸山」は、「外山」のこととする説があります。人里はなれた深い山を「奥山」、「深山」というのにたいして、里に近い、外がわの山を「外山」と呼びました。百人一首にも、「高砂の尾の上の桜咲きにけり外山の霞立たずもあらなむ」という歌があります。遠くの山の桜が見えなくならないよう、手前の山の霞よ立たないでおくれ、という歌です。外山は、里と奥山のあいだにある、身近な山でした。
八柱の山の神は、頭が山の頂、腹が奥山、というように、火の神の体の場所と、山の場所が重なるように生まれています。足は、体のいちばん下、いちばん外がわ。そこから、里に近い外山の神が生まれるのです。里の人びとにとって、外山は、たきぎをとり、山菜やきのこをつみ、落ち葉をあつめて田畑のこやしにする、くらしの山でした。いまでいう「里山」です。人と自然がいっしょにつくってきた、なつかしい風景。その山をまもる神さまです。
登場する主な神話
- 迦具土神のなきがらから生まれた八柱の山の神
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 戸山津見神
- 読み
- とやまつみのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00223
