天狭霧神の娘とされる女神
どんな神さま?
『古事記』の、大国主神の子孫をたどる系譜に名前が見える女神です。霧の神・天之狭霧神の娘で、大国主神の子孫の天日腹大科度美神の妻となりました。そして、遠津山岬多良斯神を生みます。この子が、長い系譜のいちばん最後に記される神です。
名前の意味は、はっきりしていません。「遠津」は、「遠くの」という意味とも、「遠津」という土地の名前ともいわれます。「待根」については、「松の根」とみて、遠くに見える松の木を神としたものとする説があります。松は、一年じゅう緑の葉をつける、めでたい木です。神がよりつく木ともされ、「神を待つ木」だから「まつ」というのだ、ともいわれます。「待つ」と「松」は、昔から歌のなかでもよく重ねられてきました。
この女神の父は霧の神、夫は風にかかわる名をもつ神です。霧の娘が風の神と結ばれて、遠い山のみさきの神を生む。霧がたちこめ、風が吹き、やがて霧が晴れて、遠くの山のみさきが見えてくる。そんな風景を思いうかべることもできます。子どもの名前にも、同じ「遠津」がつきます。母から子へ、名前の一部が受けつがれているのです。物語のない女神ですが、遠くを見つめ、何かを待っている。そんなしずかな姿が、名前からうかんできます。
登場する主な神話
- 大国主神の子孫の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 遠津待根神
- 読み
- とおつまちねのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00221
