常世の国から橘を持ち帰った菓子の祖神
どんな神さま?
海のかなたの常世の国から、橘の実を持ち帰った、お菓子の神さまです。『古事記』『日本書紀』の、垂仁天皇の段に登場します。新羅からわたってきた王子・天之日矛の、子孫にあたります。
あるとき垂仁天皇は、田道間守を呼んで命じました。「常世の国に、『ときじくのかくのこのみ』というものがあるそうだ。それをさがしてきておくれ」。一年じゅう、いつでもかおりつづける木の実、という意味です。食べれば、年をとらず、死ぬこともない、といわれました。田道間守は、はるかな海をこえて旅立ちます。そして十年ののち、ついにその実を手に入れて、帰ってきました。ところが、天皇は、その前の年に、亡くなっていたのです。
田道間守は、持ち帰った実の半分を皇后にさしあげ、のこりの半分を、天皇のお墓の前にそなえました。そして、「常世の国の木の実を、持ってまいりました」と、大きな声でさけび、泣きつづけて、そのまま息たえた、と伝えられています。その実は、いまの橘のことだ、と『古事記』は記しています。みかんのなかまです。昔は、果物のことを「菓子」と呼びました。そこで田道間守は、お菓子の神さまとしてまつられるようになります。兵庫県豊岡市の中嶋神社には、全国のお菓子屋さんが、おまいりにおとずれます。約束をまもりぬいた、まごころの人です。
登場する主な神話
- 常世の国への旅と非時香菓(垂仁天皇の段)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 田道間守命
- 読み
- たじまもりのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記(多遅摩毛理)・日本書紀(垂仁天皇の段)。お菓子の神。中嶋神社
- 図鑑番号
- K00410
