宇陀の坂にまつられた境の神
どんな神さま?
大和の国の東の入口にまつられた、坂の神さまです。『古事記』の崇神天皇の段に登場します。この天皇の時代、おそろしい疫病がはやって、人びとが次々にたおれました。天皇は、夢のお告げにしたがって大物主神をまつり、さらに国のさかいの神々にもそなえものをします。
『古事記』によれば、東の宇陀の墨坂神には、赤い色の楯と矛を、西の大坂神には、黒い色の楯と矛をささげました。また、坂の上の神、川の瀬の神にも、のこらずそなえものをします。すると疫病はすっかりやみ、国はおだやかになりました。東は日ののぼる方角で赤、西は日のしずむ方角で黒。武器をそなえて、東西の入口をかためたのです。
墨坂は、いまの奈良県宇陀市のあたりで、大和から伊勢や東の国へ向かう道の、大切な通り道でした。『日本書紀』には、神武天皇が大和に入ろうとしたとき、敵がこの坂に赤くおこした炭をおいて道をふさいだ、という話もあります。昔の人は、病気は外から道を通ってやってくると考えました。だから、道のさかいめで神をまつり、悪いものが入らないよう祈ったのです。宇陀市の墨坂神社は、いまも健康をまもる神として信仰されています。はやり病から人びとをまもる、国のさかいの守り神です。
登場する主な神話
- 崇神天皇の神祭り
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 墨坂神
- 読み
- すみさかのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00185
