神武天皇を救った太刀の神
どんな神さま?
神武天皇をすくった、太刀の神さまです。熊野に上陸した神倭伊波礼毘古命の一行は、あらぶる神の毒気にあたって、みな気を失ってしまいました。そのとき、熊野の高倉下という人がさし出した太刀によって、一行は目をさまし、あらぶる神はひとりでに切りたおされます。その太刀の名が佐士布都神です。
この太刀は、建御雷神が国譲りのときに使ったものでした。天照大御神から「地上がさわがしいので、助けに行きなさい」と命じられた建御雷神は、「私が降りなくても、あの国をしずめた太刀があります」と答え、高倉下の倉の屋根に穴をあけて、太刀を落としたのです。『古事記』は、この太刀のまたの名を甕布都神、布都御魂といい、石上神宮にしずまっていると記しています。
「ふつ」は、刀や剣の神を呼ぶ言葉で、ものをぷっつりと切る音をあらわすとする説があります。奈良県天理市の石上神宮は、日本でもっとも古い神社のひとつで、朝廷の武器をおさめる倉でもありました。まつったのは、武をつかさどる物部氏です。明治時代、禁足地とされてきた場所をほると、じっさいに古い剣が出てきたと伝えられています。持ち主のかわりに国をしずめ、ねむる人びとを目ざめさせる。力のこもった剣の神さまです。
登場する主な神話
- 神武東征
- 熊野での危機
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 佐士布都神
- 読み
- さじふつのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00170
