船の溜まる大島につけられた名
どんな神さま?
大八島国につづいて生まれた六つの島のひとつ、大島の別名です。伊耶那岐神と伊耶那美神は、八つの大きな島を生んだ帰りがけに、さらに六つの島を生みました。吉備児島、小豆島につづく三番目がこの大島で、山口県の周防大島(屋代島)にあてる説が有力です。瀬戸内海の大三島とする説もあります。
別名の「多麻流」は、「たまる」という意味とされます。何がたまるのかといえば、船です。たくさんの船が集まり、とまるところ。つまり、よい港のある島、という意味の名前と考えられています。「別」は、土地の名前によくつく言葉で、その地をおさめる者をあらわします。
周防大島は、瀬戸内海で三番目に大きな島です。本州とのあいだのせまい海峡は潮の流れが速く、昔の船は、潮の向きがかわるのを島かげで待たなければなりませんでした。九州と大和をむすぶ海の道の、大切な潮待ちの港だったのです。『万葉集』にも、この海峡をこえる旅人の歌がのこっています。国生みの物語が、わざわざこの島を数に入れているのは、船で行き来する人びとにとって、なくてはならない島だったからでしょう。船がたまる島という名は、海の旅のくらしをそのまま伝えています。
登場する主な神話
- 国生み(六島)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 大多麻流別
- 読み
- おおたまるわけ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00108
