家々の竈(かまど)を見守る女神
どんな神さま?
家いえのかまどを見まもる、女の神さまです。『古事記』の大年神の系譜に名前が見え、穀物の神・大年神と天知迦流美豆比売のあいだに生まれました。男神の奥津日子神と対になっています。別名を大戸比売神といい、『古事記』は「人びとがたいせつにまつる、かまどの神である」と記しています。
別名の「へ」は、かまどをさす古い言葉とされます。「大戸比売」は「りっぱなかまどの姫」という意味になります。昔は、火をおこすのも、ごはんをたくのも、たいへんな仕事でした。毎朝いちばんに起きてかまどに火を入れる人にとって、かまどの女神は、いちばん身近な話し相手だったかもしれません。
かまどの火は、家の命そのものと考えられていました。新しく家を分けるとき、もとの家のかまどから火を分けてもらう土地もありました。火をけがすと神さまが怒る、という言い伝えも各地に残っています。火を大切にあつかい、台所をきれいにしておくことは、神さまへの礼儀でもあったのです。のちに「荒神さま」「かまど神」として広く信仰され、いまも台所の神棚にお札をまつる家があります。ガスや電気にかわっても、家族の食事をつくる場所を見まもる神さまであることは、かわりません。
登場する主な神話
- 大年神の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 奥津比売命
- 読み
- おくつひめのみこと
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00096
