大汝神の妻として名が見える女神
どんな神さま?
大国主神の妻として、播磨の言い伝えに名前が見える女神です。『古事記』や『日本書紀』には登場しません。『播磨国風土記』の、飾磨郡伊和里のところに出てきます。そこには、大汝命、つまり大国主神と、その子の、ゆかいで少しこまった話が伝えられています。
大汝命の子の火明命は、気があらく、らんぼうでした。父はなやんで、この子をおきざりにしようと考えます。山のふもとに船をとめ、子に水をくみに行かせて、そのすきに船を出して逃げました。もどってきた子は、船が出ていくのを見て、かんかんに怒ります。そして風と波をおこして、父の船を追いかけ、打ちくだいてしまいました。船がこわれた丘、波がよせた丘、琴が落ちた丘、箱が落ちた丘。積み荷が落ちた場所が、それぞれ十四の丘の名前になったといいます。
そのとき、大汝命は、妻の弩都比売に言いました。「らんぼうな子から逃げようとして、かえって波と風にあい、ひどい目にあってしまったよ」。国をつくった大神の、なさけないぼやきを聞いてあげたのが、この女神です。十四の丘のひとつ、蚕が落ちた丘は「日女道丘」と呼ばれ、それが、いまの姫路という地名のもとになったとされています。夫のぐちを、だまって聞く。どこの家にもいそうな、身近な女神です。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 播磨国風土記・飾磨郡伊和里
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 弩都比売
- 読み
- のつひめ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 播磨国風土記
- 図鑑番号
- K00360
