英賀の里の名になった伊和大神の子
どんな神さま?
播磨の英賀という里の名前になった女神です。『古事記』や『日本書紀』には登場しません。『播磨国風土記』の、飾磨郡英賀里のところに、阿賀比古とともに名前が見えます。「伊和大神の子、阿賀比古・阿賀比売の二柱の神が、ここにいらっしゃる。それで、神の名前によって、里の名前とした」。風土記が伝えるのは、これだけです。
男の神と女の神が、ふたりひと組で、ひとつの土地をまもる。日本の古い信仰には、そうした形がよく見られます。村には、男の神の社と、女の神の社があり、ふたりで田畑のみのりと、村人のしあわせを見まもりました。「あが」という名前の意味は、はっきりわかっていません。けれども、土地の名前と神の名前が同じ、ということは、この二柱が、その土地そのものの魂をあらわす神だった、ということです。
英賀は、いまの兵庫県姫路市の、海に近いところです。播磨の海は、おだやかな瀬戸内海。魚がとれ、塩がつくられ、船が行きかいました。女神は、海べの村の女性たちのくらしを、見まもってきたのでしょう。姫路市の英賀神社には、いまも阿賀比古とともにまつられています。秋のお祭りには、りっぱな屋台がくり出して、町じゅうがにぎわいます。風土記は、えらい神の大きな物語だけでなく、こうした小さな土地の神の名前も、ていねいに書きとめました。おかげで私たちは、千三百年前の村の人びとが、だれに手を合わせていたのかを知ることができます。ふるさとの女神です。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 播磨国風土記・飾磨郡英賀里の地名由来
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 阿賀比売
- 読み
- あがひめ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 播磨国風土記
- 図鑑番号
- K00359
