黄泉の境で、何かを語った謎の女神
どんな神さま?
なぞの言葉をのこした、白山の女神です。『日本書紀』の、たくさんある伝えのうち、たったひとつにだけ、たった一行、登場します。『古事記』には、名前が見えません。それなのに、全国に二千あまりある白山神社の神として、広く信仰されています。
場面は、この世とあの世のさかいです。黄泉の国から逃げ帰った伊耶那岐神と、追ってきた伊耶那美神が、向かい合って言いあらそっていました。そこへ菊理媛神があらわれて、何かを申しあげます。伊耶那岐神は、それを聞いてほめ、そして、その場を去っていきました。『日本書紀』が記すのは、これだけです。女神が何を言ったのか、ひとことも書かれていません。けれども、その言葉によって、はげしいあらそいがおさまったことは、たしかです。
名前の「くくり」は、「くくる」、つまり、むすび合わせること、とする説があります。あらそうふたりのあいだをとりもち、心をむすんだ女神、というわけです。そこから、縁むすびの神、仲直りの神として信仰されるようになりました。石川県の白山比咩神社は、白山神社の総本宮です。白山は、一年の大半を雪におおわれる、白くかがやく山。そこから流れ出る水は、北陸の平野をうるおします。語られなかった言葉は、何だったのか。千三百年のあいだ、人びとは考えつづけています。
登場する主な神話
- 黄泉の国(『日本書紀』神代上 第五段 一書第十)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 菊理媛神
- 読み
- くくりひめのかみ
- 区分
- 記紀の神(副:祭祀の神)
- 主な出典
- 日本書紀 神代上 第五段一書第十
- 別名・表記
- 白山比咩神 しらやまひめのかみ
神社・信仰での名・③ 神社伝承(白山比咩神社)
- 白山比咩神 しらやまひめのかみ
- 図鑑番号
- K00366
三柱守護神としての役割
子年の守り本尊・千手観音菩薩の奇魂神治す・癒やす・結ぶ菊理媛神は、黄泉比良坂の場面に登場し、後世には「くくる」という語感とも結びついて、人と人、異なるものを結ぶ神として信仰されてきました。神さまホスピタルでの配役
No.38 事務局人事・採用人と組織の縁を結ぶ祀る主な神社
- 白山比咩神社 石川県公式サイト
関連する神さま
- 伊邪那岐命(イザナギ) いざなきのかみ図鑑のページ
- 伊邪那美命(イザナミ) いざなみのかみ図鑑のページ
