息吹で罪や穢れを吹きはらう祓の神
どんな神さま?
息吹で、罪やけがれを吹きはらう、祓いの神さまです。六月と十二月のおわりに、半年のあいだの罪やけがれをはらう「大祓」の祝詞に登場する、祓戸の四柱の神のひとりです。四柱のうち、ただひとりの男神とされます。『古事記』『日本書紀』の神話には登場しません。
祝詞は語ります。川の瀬の瀬織津比売が、罪を海へ持ち出し、海の渦の速開都比売が、それをのみこみます。すると、「息を吹き出す戸口にいらっしゃる、気吹戸主という神が、根の国・底の国へ、ふうっと吹きはなってくださる」。海がのみこんだ罪を、こんどは強い息で、地の底の世界へ吹きとばすのです。そのあと、地の底にいる速佐須良比売が、それを持ちさって、なくしてしまいます。
「いぶき」は、息を吹くこと。「戸」は、出入口。「息吹の出入口の主」という名前です。昔の人は、息には、ものを清めたり、命を吹きこんだりする、ふしぎな力があると考えました。神話でも、神々は「息の霧」のなかから生まれます。お祓いのとき、人の形に切った紙に、ふっと息を吹きかけるのは、自分のけがれを息とともに紙にうつすためです。風は、よどんだ空気を吹きはらい、空をすっきりと晴れさせます。大きく息をはくと、気持ちがかるくなります。深呼吸のなかにも、この神のはたらきがあるのかもしれません。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 大祓詞
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 気吹戸主
- 読み
- いぶきどぬし
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 大祓詞
- 図鑑番号
- K00313
