海の渦で罪や穢れを呑みこむ女神
どんな神さま?
海の渦で、罪やけがれをのみこむ女神です。六月と十二月のおわりに、半年のあいだの罪やけがれをはらう「大祓」の祝詞に登場する、祓戸の四柱の神のひとりです。『古事記』『日本書紀』の神話には、この名前では出てきません。
祝詞は語ります。まず、はやい川の瀬にいる瀬織津比売が、罪を大海原へ持ち出します。すると、「あらい潮の、たくさんの潮の道が、いくえにも集まるところにいらっしゃる、速開都比売という神が、それをがぶがぶとのみこんでくださる」。沖で、いくつもの潮の流れがぶつかり合い、大きな渦をまいている。そこに、この女神は大きな口をあけて待っているのです。のみこまれた罪は、次に気吹戸主によって地の底へ吹きはなたれ、最後に速佐須良比売が、あとかたもなく消しさります。
名前の「はやあきつ」は、『古事記』の神生みで生まれる河口の女神、速秋津比売神と、同じ音です。河口も、潮の渦も、水が集まり、出ていくところ。同じ神、あるいは深いかかわりのある神と考えられています。「あき」は、「開く」。大きく口をひらく、という意味にとれます。鳴門のうずしおのような大きな渦を見ると、何もかもすいこまれそうな気がします。昔の人は、その力に、罪やけがれをのみこんで清めてくれるはたらきを見ました。どんなものも受け入れてくれる、海の大きさを思わせる女神です。
登場する主な神話
- (この名では記紀の神話に登場しません)
- 大祓詞
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 速開都比売
- 読み
- はやあきつひめ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 大祓詞
- 図鑑番号
- K00312
