柊の花の名をもつ系譜の神
どんな神さま?
ひいらぎの花の名をもつ神さまです。『古事記』の、大国主神の子孫をたどる系譜に名前が見えます。活玉前玉比売神の父として記され、その娘は、大国主神の子孫の多比理岐志麻流美神の妻となりました。『古事記』のほかの書物には見えない神です。
名前の「比々羅木」は、ひいらぎのこととされます。ひいらぎは、葉のふちに、するどいとげのある木です。さわると「ひいらぐ」、つまりひりひりと痛むので、この名前がついたといわれます。昔の人は、このとげが、鬼や悪いものをよせつけないと信じました。節分の日に、ひいらぎの枝にいわしの頭をさして、家の入口にかざるならわしは、いまも各地にのこっています。『古事記』には、倭建命が東の国へ旅立つとき、天皇からひいらぎの木でつくった長い矛をさずかった、という話もあります。魔よけの力をもつ木だったのです。
とげのある葉とはうらはらに、ひいらぎは、冬のはじめに、白くて小さな、とてもよい香りの花をさかせます。寒さのなかでひっそりとさく、清らかな花です。名前の「其花」は、「その花」。ひいらぎの、その花を神としたもの、と考えられています。悪いものをしりぞける強さと、かおり高い花のやさしさ。その両方をあわせもつ神さまです。
登場する主な神話
- 大国主神の子孫の系譜
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 比々羅木之其花麻豆美神
- 読み
- ひひらぎのそのはなまずみのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00262
