※この解説は、出典の確認を続けています。
伊和大神の求婚を断った安師の女神
どんな神さま?
伊和大神の求婚を、きっぱりとことわった女神です。『古事記』や『日本書紀』には登場しません。『播磨国風土記』の、宍禾郡安師里のところに出てきます。播磨は、いまの兵庫県の西南部です。里の名前も、そこを流れる川の名前も、この女神の名前からついたとされています。
風土記はこう語ります。播磨の国をひらいた伊和大神が、安師比売神を妻にしようと申しこみました。ところが女神は、かたくことわって、聞き入れません。大神はたいそう怒り、大きな石で川のみなもとをふさいで、水をべつの方角へ流してしまいました。「それで、この川は水が少ないのだ」。川の水が少ないわけを、神さまの失恋で説明しているのです。
伊和大神は、播磨の国でいちばん力のある神で、大国主神と同じ神ともされます。その大神の申しこみを、土地の女神がはねつけた。そして、しかえしをされても、心をかえなかった。昔の人びとは、この話を、どんな気持ちで語り伝えたのでしょうか。水の少ない川を見るたびに、気のつよい女神のことを、少しほこらしく思い出したのかもしれません。「あなし」は、北西から吹く強い風の名前でもあり、鉄づくりにかかわる言葉ともいわれます。兵庫県姫路市安富町のあたりが、その土地とされています。自分の心にしたがった、ほこり高い女神です。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 播磨国風土記・宍禾郡安師里の地名由来
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 安師比売神
- 読み
- あなしひめのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 播磨国風土記
- 図鑑番号
- K00354
