衣から生まれた、わずらいの神
どんな神さま?
衣から生まれた、わずらいの神さまです。黄泉の国から帰った伊耶那岐神は、禊をする前に、身につけていたものを次々と投げすてました。杖、帯、袋につづいて、四番目に投げすてたのが、着ていた衣です。その衣から生まれたのが、和豆良比能宇斯能神でした。
名前の「わづらい」は、「わずらう」こと。病気になること、苦しむこと、心をなやませることです。「うし」は、「主」、つまり、それをつかさどる者。「わずらいの主の神」という名前になります。衣は、体にいちばんぴったりとまといつくものです。黄泉の国のけがれは、衣にしみついていました。それをぬぎすてると、わずらいの神になったのです。
この神については、ふたつの見方があります。ひとつは、禊で流しさったわざわいやけがれ、そのものを神としたもの、とする説。もうひとつは、旅のとちゅうでおこる病気や苦しみにかかわる神とする説です。このとき生まれた十二柱の神々は、杖、帯、袋など、旅じたくにかかわるものから生まれ、道や旅にちなむ名前が多いからです。昔の旅は、命がけでした。けがや病気は、旅人のいちばんのなやみです。心や体にまとわりつくなやみごとを、きものをぬぐように、すっぱりとぬぎすてる。そんなことができたら、どんなに楽でしょう。この神の名前は、そうした願いを思わせます。病気やなやみを遠ざけてくれるよう、祈る神さまです。
登場する主な神話
- 伊耶那岐命の禊
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 和豆良比能宇斯能神
- 読み
- わずらいのうしのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00309
