葦の芽のように萌え出た生命の神
どんな神さま?
葦の芽のようにもえ出た、命の力の神さまです。『古事記』は、世界のはじまりをこう語ります。国がまだ若く、水にういたあぶらのようで、くらげのようにただよっていたとき、葦の芽のようにすっとのびあがるものがあった。そこからあらわれた神の名が、宇摩志阿斯訶備比古遅神です。
長い名前を分けてみると、「うまし」はりっぱな、すばらしい。「あしかび」は葦の芽。「ひこぢ」は男性をほめて呼ぶ言葉。つまり「すばらしい葦の芽の男神」という意味になります。葦は、春になると水辺の泥のなかから、角のようにとがった芽をいっせいにつき出し、ぐんぐんのびて人の背たけをこえます。そのいきおいに、昔の人は命そのものの力を見たのでしょう。
この神は、別天つ神と呼ばれるとくべつな五柱の四番目で、あらわれるとすぐに身をかくしました。物語は何もありません。けれども、何もないところから何かがもえ出す、その最初のひとおしをあらわす神として、大切な位置にいます。日本の国は「葦原中国」とも呼ばれました。葦がしげる国の、いちばん最初の芽。それがこの神さまです。
登場する主な神話
- 天地のはじまり(別天つ神)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 宇摩志阿斯訶備比古遅神
- 読み
- うましあしかびひこじのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00088
