東征の海の道を案内した国つ神
どんな神さま?
神武天皇の東征で、海の道を案内した国つ神です。日向を出て東へ向かう神倭伊波礼毘古命の船は、潮の流れの速い海峡、速吸門にさしかかりました。そこへ、亀のこうらにのり、つりをしながら、そでをふって近づいてくる人があります。
「おまえはだれか」とたずねると、「私は国つ神です」と答えました。「おまえは海の道を知っているか」と問うと、「よく知っております」。「私にしたがって仕えるか」と問うと、「お仕えいたしましょう」。そこで、さおをさしわたして、船に引き入れました。それで、槁根津日子という名前をあたえたといいます。「さお」にちなんだ名前です。この神は、倭国造という、大和の国をおさめた一族の祖先とされています。
潮の流れが速い海峡は、土地の海をよく知る者の案内がなければ、こえることができません。亀にのってつりをする姿は、まるで浦島太郎のようです。海とともにくらす人びとの姿をうつしているのでしょう。『日本書紀』では椎根津彦と書かれ、のちに老人に身をやつして敵のなかを通りぬけ、天の香具山の土をとってくるという、大切なはたらきもしています。知らない土地をすすむとき、道を知る人の力をかりる。その大切さを伝える神さまです。
登場する主な神話
- 神武東征
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 槁根津日子
- 読み
- さおねつひこ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00173
