山幸彦を地上へ送り届けた和邇
どんな神さま?
山幸彦を地上へ送りとどけた、ワニの神さまです。兄の釣り針をさがして海の神の宮をおとずれた火遠理命は、海の神の娘と結婚し、三年のあいだ楽しくくらしました。やがて針も見つかり、地上へ帰ることになります。海の神は、海じゅうのワニを集めてたずねました。「天つ神の御子が地上にお帰りになる。だれが、何日でお送りできるか」。
ワニたちは、体の長さに合わせて「何日で」と答えます。そのなかで、ひとひろの長さのワニが「一日でお送りして、もどってまいります」と言いました。海の神は「それなら、おまえがお送りしなさい。海のなかを通るとき、こわい思いをさせてはいけないよ」と命じます。ワニは火遠理命を首にのせ、約束どおり一日で送りとどけました。
火遠理命は、お礼に、腰にさげていたひも付きの小刀をほどいて、ワニの首につけてやりました。それで、このワニをいまも佐比持神と呼ぶ、と『古事記』は記しています。「さひ」は、刃物のこと。「刃物をもつ神」という意味です。神話のワニは、するどい歯をもつサメのことだとする説が有力です。サメの歯を小刀に見立てたのかもしれません。約束をまもり、やさしく人を運ぶ。海の旅の守り神です。
登場する主な神話
- 海神の宮訪問
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 佐比持神
- 読み
- さひもちのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00172
