賀茂建角身命の妻となった丹波の女神
どんな神さま?
賀茂建角身命の妻となった、丹波の女神です。『古事記』や『日本書紀』には登場しません。『山城国風土記』の、いまにのこる一部分に、名前が見えます。風土記は、こう記しています。「賀茂建角身命は、丹波の国の神野の神、伊可古夜日女を妻として、子を生んだ。名を玉依日子といい、次を玉依日売という」。
丹波は、いまの京都府の中部から兵庫県の東部にかけての、山にかこまれた国です。都のある山城の国の、すぐ北西にあたります。大和から北へうつってきた賀茂の神は、となりの丹波の国の女神を妻にむかえました。土地の女神と結婚することは、その土地の人びとと、むすびつくことです。賀茂の一族が、山城から丹波にかけて、力をひろげていったようすを、この結婚はあらわしていると考えられています。
この女神の娘、玉依日売は、川を流れてきた赤い矢によって身ごもり、賀茂別雷命を生みました。上賀茂神社の神です。つまりこの女神は、雷の神のおばあさんにあたります。息子の玉依日子は、賀茂の神をまつる一族の祖先になりました。夫は下鴨神社の神、娘も下鴨神社の神、孫は上賀茂神社の神。京都でいちばん古い神社の神々の、家族のまんなかにいる母です。下鴨神社の境内にも、この女神をまつる社があります。名前だけの女神ですが、賀茂の神々のきずなを、しっかりとむすんでいます。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 山城国風土記逸文の賀茂の伝承
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 神伊可古夜日女
- 読み
- かむいかこやひめ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 山城国風土記逸文
- 図鑑番号
- K00363
