丹塗りの矢で賀茂別雷命を生んだ母神
どんな神さま?
赤い矢によって、賀茂別雷命を生んだ母神です。賀茂建角身命と、丹波の女神・神伊可古夜日女のあいだに生まれました。京都市の下鴨神社に、父神とともにまつられています。『古事記』や『日本書紀』には登場せず、『山城国風土記』の、いまにのこる一部分に、その物語が語られています。
ある日、玉依日売が、賀茂川のほとりであそんでいると、川上から、赤くぬられた矢が流れてきました。ひろって持ち帰り、ねどこのそばにさしておくと、やがて身ごもり、男の子を生みます。父親がだれなのかは、わかりません。その子が大きくなったとき、祖父の賀茂建角身命は、大きな御殿を建て、たくさんの酒をつくり、神々をあつめて、七日七晩の宴をひらきました。そして孫に言います。「おまえの父と思う人に、この酒をのませなさい」。
すると、その子は、さかずきを高くささげて、天に向かってまつり、屋根をつきやぶって、天へのぼっていきました。父は、天の雷の神だったのです。赤い矢は、その雷の神が姿をかえたものでした。名前の「玉依」は、「神の魂がよりつく」という意味で、神につかえる巫女をあらわします。神をむかえ、神の子を生んだ女神。下鴨神社では、縁むすび、安産、子育ての神として、あつく信仰されています。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 山城国風土記逸文の丹塗矢の伝承
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 賀茂玉依日売命
- 読み
- かもたまよりひめのみこと
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 山城国風土記逸文
- 図鑑番号
- K00364
