足島神と並んで祀られた国土の神
どんな神さま?
国土そのものの魂をあらわす神さまです。『古事記』や『日本書紀』の物語には登場しません。平安時代の『延喜式』に、足島神とともに、宮中で巫女がまつる二柱の神として記されています。国土が、いつまでもやすらかであるように、と祈ってまつられた神です。
名前の「いく」は、いきいきとした命の力。「しま」は、島。日本の国は「大八島国」と呼ばれるように、たくさんの島からできています。「いきいきとした島の神」。つまり、国土がいきいきと生きていることをあらわす名前です。昔の人は、大地は、ただの土や岩ではなく、生きているものだと考えました。草木を育て、水をわかせ、人をやしなう、大きな命です。
この神には、古くから大切な祭りがありました。新しい天皇が位につくと、次の年、使いが難波の海辺に行き、天皇の衣をゆらゆらとふって、国土の魂を身につけてもらう、という祭りです。海にうかぶ島々の魂を、天皇の体にむすびつけたのです。国生みの神話で、最初に島が生まれたのも、難波に近い淡路のあたりでした。大阪市の生國魂神社は、この神と足島神をまつる古い社で、「いくたまさん」と親しまれています。長野県上田市の生島足島神社は、日本のまんなかにあるとされ、大地そのものをご神体としています。足もとの大地に感謝する神さまです。
登場する主な神話
- 宮中の生島巫の祭神
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 生島神
- 読み
- いくしまのかみ
- 区分
- 古典の神
- 主な出典
- 延喜式
- 図鑑番号
- K00337
