天児屋命をささえた、春日の比売神
どんな神さま?
祝詞の神・天児屋命の妻とされる女神です。『古事記』や『日本書紀』の神話には、名前が見えません。けれども、奈良の春日大社や、大阪の枚岡神社という、たいへん格の高い神社で、「比売神」として、古くからまつられてきました。
夫の天児屋命は、天の岩戸の前で祝詞をとなえ、天孫降臨にもしたがった神で、朝廷の祭りをつかさどった中臣氏、のちの藤原氏の祖先です。藤原氏に伝わる系図では、その妻が天美津玉照比売命で、ふたりのあいだに生まれた子が、中臣氏の血すじをついでいった、とされます。枚岡神社では、第一殿に夫の神、第二殿にこの女神がならんでまつられています。春日大社でも、四つの本殿のうち、第三殿が天児屋命、第四殿が比売神です。
名前は、とても美しい言葉でできています。「みつ」は、みずみずしいこと。「たま」は、玉、または魂。「てる」は、てりかがやくこと。「みずみずしい玉のように、てりかがやく姫」という意味になります。そのかがやくような名前から、春日の比売神を、天照大御神その方とみる、古い説もあります。祭りをつかさどる夫のかたわらで、家をまもり、子を育て、一族のもとをきずいた女神。藤原氏は、やがて千年にわたって、国をささえる家となりました。夫婦円満、家のさかえを願う人びとに、信仰されています。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 天美津玉照比売命
- 読み
- あめのみつたまてるひめのみこと
- 区分
- 祭祀の神
- 主な出典
- 枚岡神社・春日大社の祭神(比売神)。記紀には登場しない
- 図鑑番号
- K00429
