善も悪も一言で言い放つ葛城の神
どんな神さま?
よいことも悪いことも、ひとことで言いはなつ、葛城山の神さまです。『古事記』の雄略天皇の段に登場します。あるとき天皇が、おおぜいの役人に青い衣を着せて葛城山に登ると、向かいの尾根に、そっくり同じ姿、同じ人数の一行があらわれました。
おどろいた天皇が「この国に私のほかに王はいない。おまえはだれだ」と問うと、相手もまったく同じ言葉を返してきます。天皇は怒って弓をかまえさせ、相手も同じようにかまえました。名のりをもとめると、相手は答えます。「私は、悪いこともひとこと、よいこともひとことで言いはなつ神。葛城の一言主の大神である」。天皇はおそれかしこまり、刀や弓矢、お供の者たちの着ていた衣までぬがせてささげました。神は手をうってよろこび、山のふもとまで天皇を見送ったといいます。
あらあらしい王として知られる雄略天皇が、ただひとり頭を下げた相手です。ひとことで運命をきめる、言葉の力をもつ神なのです。奈良県御所市の葛城一言主神社は「いちごんさん」と親しまれ、ひとことの願いならかなえてくださる神として、多くの人がおとずれます。願いごとは、ひとつにしぼって。
登場する主な神話
- 雄略天皇の葛城山行幸
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 葛城之一言主之大神
- 読み
- かずらきのひとことぬしのおおかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 別名・表記
- 一言主神 ひとことぬしのかみ
通称(サイト表示)・表記ゆれ(略称)
- 一言主神 ひとことぬしのかみ
- 図鑑番号
- K00131
