倭建命を惑わせた伊吹山の神
どんな神さま?
英雄・倭建命をたおした、伊吹山の神です。伊吹山は、滋賀県と岐阜県のさかいにそびえる山で、冬にははげしい風と雪にみまわれます。東の国ぐにをしずめて尾張にもどった倭建命は、妻の美夜受比売のもとに草那芸剣をおいたまま、「この山の神は、素手でじかに討ちとってやろう」と言って山に登りました。
山のふもとで、牛ほどもある大きな白い猪に出会います。倭建命は声に出して言いました。「この白い猪は、神の使いだろう。いま殺さなくても、帰りに殺せばよい」。ところが、その猪こそ、山の神そのものでした。相手を見あやまり、しかも軽んじる言葉を口にしてしまったのです。神ははげしい氷雨をふらせ、倭建命は正気を失うほど打ちのめされました。
やっとのことで山をおりた倭建命は、清水でひと息つきますが、体は弱るいっぽうでした。ふるさとの大和を思う歌をのこして、ついに旅のとちゅうで亡くなります。数かずの敵をたおしてきた英雄も、剣を手ばなし、おごりの言葉を口にしたとき、山の神にはかないませんでした。『日本書紀』では、神は大蛇の姿であらわれます。自然をあなどってはならない、と伝える物語です。
登場する主な神話
- 倭建命の東征
- 伊吹山
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 伊服岐能山之神
- 読み
- いふきのやまのかみ
- 区分
- 記紀の神
- 主な出典
- 古事記
- 図鑑番号
- K00080
