船に宿り、航海を守る神さま
どんな神さま?
船にやどり、海の旅をまもる神さまです。『古事記』や『日本書紀』の神話に出てくる神ではなく、漁師や船乗りのあいだで、昔から信じられてきた神さまです。「ふなだまさま」と呼ばれます。
新しい船をつくるとき、船大工の頭は、だれにも見られないように、船のまんなかの、帆柱を立てるところに、小さな穴をほります。そこに、ご神体をおさめて、ふたをします。ご神体は、土地によってちがいますが、女の人の髪の毛、紙や木でつくった男女一対の人形、さいころふたつ、ぜに十二まい、五穀、といったものです。さいころは、「天一地六、おもて三あわせ、ともに四あわせ」と、きまった向きにおきます。これで、船に魂が入りました。
船霊は、多くの土地で、女の神だといわれます。だから、女の人がひとりで船にのると、神がやきもちをやく、といって、きらう土地もありました。あらしが近づくと、船霊が「チッチッ」と小さな音をたてて知らせてくれる、という言い伝えもあります。これを「船霊がいさむ」といいます。板一まい下は海。そんな命がけの仕事をする人びとにとって、船は、ただの道具ではなく、ともに生きるなかまでした。いまの大きな船にも、神棚があり、神がまつられています。海ではたらく人びとを、いちばん近くでまもる神さまです。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 船霊
- 読み
- ふなだま
- 区分
- 習合・信仰の神
- 主な出典
- 民間信仰。船を守る神
- 図鑑番号
- K00421
