芦ノ湖を守ると伝わる箱根の龍神
どんな神さま?
芦ノ湖をまもる、箱根の龍神です。神奈川県箱根町の、芦ノ湖のほとりにある、九頭龍神社にまつられています。『古事記』や『日本書紀』の神話には登場しません。奈良時代から伝わる、言い伝えの神さまです。
昔、芦ノ湖には、九つの頭をもつ毒の龍がすんでいました。雲をよび、波をおこして、湖のまわりの村人たちを苦しめます。村では、龍の怒りをしずめるために、毎年、若い娘をいけにえにさし出さなければなりませんでした。そこへ、萬巻上人という、えらいお坊さんがやってきます。箱根の山で修行をして、箱根神社をひらいた人です。上人は、湖のなかに石の台をきずき、その上で、いく日も祈りつづけました。
とうとう龍は、心をあらためます。宝の玉と、しゃくじょう、水がめをささげて、姿をあらわし、「これからは、この地をまもります」とちかいました。上人は、龍がにどとあばれないよう、湖の底の木にくさりでつなぎ、九頭龍大神としておまつりします。人を苦しめた龍が、人をまもる神に生まれかわったのです。毎月十三日には、湖のほとりの本宮でお祭りがあり、その日は、とくべつな船も出ます。金運や商売繁盛、そして縁むすびの神として、たいへん人気があります。静かな湖と、深い森にかこまれた社です。
登場する主な神話
- (記紀の神話には登場しません)
- 萬巻上人の毒龍調伏の伝承
解説:記紀の記述と神社の伝承を書き分けています。(日本の神さま365編集部)
基本情報
- 見出し表記
- 九頭龍大神
- 読み
- くずりゅうのおおかみ
- 区分
- 習合・信仰の神
- 主な出典
- 箱根 九頭龍神社の祭神。芦ノ湖の龍神
- 図鑑番号
- K00404
